千曲市(長野) 五里ヶ峯(1094.4m)、鏡台山(1269.1m)、大峯山(841.4m) 2023年1月11日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:44 窪山展望公園−−3:52 尾根取付(害獣除け柵)−−4:04 林道−−4:20 送電鉄塔−−4:50 大峯山−−5:05 林道−−5:18 廃林道−−5:33 廃林道終点−−6:10 鏡台山北峰−−6:18 鏡台山−−6:28 富士見台分岐−−6:37 林道−−6:45 送電鉄塔−−7:19 五里ヶ峰−−7:59 送電鉄塔−−8:30 尾根取付(害獣除け柵)−−8:41 窪山展望公園

場所長野県千曲市
年月日2023年11月11日 日帰り
天候曇。鏡台山周辺のみ霧
山行種類一般登山+プチ藪山
交通手段マイカー
駐車場あんずの里 窪山展望公園を利用
登山道の有無875m峰北西の送電鉄塔〜五里ヶ峯〜鏡台山〜1011m峰南を通る廃林道までは道あり。それ以外は道無し
籔の有無ほぼ無し。ただし道が無い区間では多少の灌木と多くの倒木あり
危険個所の有無無し
山頂の展望五里ヶ峯:西側が大展望
鏡台山:西側が開ける
大峯山:無し
GPSトラックログ
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コメント金曜日に前線が抜けて冬型の気圧配置に移行し北アルプスが爆風予想のため、今シーズン初めての鏡台山周回コースへ。ここでも強風とガスだったので北アに行かずに正解だった。まだ積雪は皆無で気温も0℃以上あったが強風で体感的には寒かった。大峯山から先の廃林道から鏡台山間の登山道はきれいに刈り払いされていてびっくり。標高1100m付近より高い場所は雲の中で展望は効かなかった


875m峰北西側の送電鉄塔から見た鏡台山。残念ながら雲の中で山頂は見えない


窪山展望公園駐車場を出発 尾根取り付き
藪っぽいのは最初だけ 林道を横断
灌木藪が登場すると送電鉄塔は近い 送電鉄塔
送電鉄塔から見た千曲市街地 標高660m付近の岩
昨年もあった帽子はボロボロになっていた 大峯山山頂
林道 登山道は廃道化しているが藪はほぼ無い
尾根南側の林道に出た 茸止め山
林道終点から登山道に乗る 鏡台山までの距離は合っていたが85分は盛り過ぎ?
標高1200m付近。ガスに突入 6時過ぎにライト不要な明るさになった
鏡台山北峰 鏡台山山頂
鏡台山から西を見ているがガスで展望無し 富士見台の岩を見上げる
昨年は無かった倒木 林道を横断
林道の鏡台山登山口 930m鞍部の送電鉄塔
正面のピークが五里ヶ峯 五里ヶ峯直下
五里ヶ峯山頂 五里ヶ峯から南西を見ている
新たな倒木処理 標高950m
971m峰 942m峰
標高850mの送電鉄塔 送電鉄塔から南西を見ている
送電鉄塔から北に分岐する尾根に入る 鏡台山は未だ雲の中
尾根の起点 標高810m付近
標高520m付近 尾根末端
尾根末端から振り返る 林檎畑の道を下る
下ってきた尾根 北には大峯山
窪山展望公園駐車場到着 窪山展望公園から見た茶臼山


 今週末は天気が悪い。金曜日に日本海の寒冷前線が本州を通過して冬型の気圧配置に移行し、等圧線が混んで北アルプスは爆風が確定。土曜日の気温はまだそれほど下がらないが、標高3000mの風速は20m/sだから台風以上である。蝶ヶ岳なら山頂直下まで風がブロックされるので登れないことはないが、おそらく吹雪きかガスの中であろう。これだけ条件が悪い時に登るのはメリットは無いので、今回は近場の山で体力維持を目指すことにした。

 こんな時の行先は去年と同じく千曲市の大峯山〜鏡台山〜五里ヶ峯の周回が適当だろう。標高はアルプスと比較して2000m近く低いので山頂まで樹林で覆われていて風の影響を受けにくいし、気温は10℃近く高いだろうからまだプラスの範囲だろう。また、このルートなら重い防寒長靴でも歩けるので足元が温かいのもメリットだ。

 約半年ぶりのルートであり、事前に地形図で登山口となる「あんずの里 窪山展望公園」の位置とそこまでの車のルートを確認。山の中のルートは頭に入っているので問題なし。周回コースを時計回り/反時計回りのどちらで行くか考えたが、道が無い尾根を辿る窪山展望公園〜大峯山の間を登りとして読図を省力化することにして時計回りに決定。真っ暗な時間帯に道が無い尾根を歩くことになるが、登りであれば尾根の取り付きさえ間違えなければ大丈夫だ。

 天気予報通り土曜日早朝は下界でも強風で、アルプスの稜線ではとんでもない爆風であろう。前線は通過したがまだ天気破は回復しきっていないようで空に星は見えていないが、雨が降っていなければ問題なし。車に乗り込んで登山口へ。久しぶりでルートを覚えているか自信は無かったが、カーナビを設定しなくても窪山展望公園に到着することができた。まだ夜中の時間帯なので駐車する車は皆無だった。

 今日は標高が低いのでアルプスよりは防寒装備はグレードダウンしていいだろうと、嵩張るダウンジャケットは止めておく。雪が無いので軽アイゼンもロングスパッツも不要である。結果的には休憩無しで歩いたため、防寒装備は目出し帽、防水防寒手袋、風除けを兼ねての雨具の上着だけであった。

 LEDライトを点灯して出発。相変わらず風が強いが気温は確実にプラス圏内。さすが標高が430mしかないだけある。ちなみに今回の最高標高は鏡台山の1269mで、いつもの北アルプスなら登山口の標高である(笑) 公園を出て車道を左へ向かい、右斜めに上がる舗装された細い車道に入り、リンゴ畑の中の変形十字路でさらに左に入って少し下った箇所が尾根の取り付きである。

 害獣除けの低い柵(猪用?)を乗り越えて道無き尾根の登り開始。藪が濡れているかちょっと心配だったが、強風が吹きつけていることもあって枝や葉はほぼ乾いていた。最初から急傾斜の連続ですぐに体温が上昇して、上半身は半袖+腕カバーの軽装に変身。この標高では道が無くてもまだ笹が登場しないのでこんな格好でも問題ない。

 はっきりしない尾根地形をひたすら登って標高520m付近で林道を横断。林道造成で削られた法面の突破がちょっと面倒だが少し左側からよじ登った。標高610m付近では細い灌木が密集した藪を形成。これは送電線直下の樹林が伐採されて日当たりが良くなっている影響であり、送電鉄塔が間近であることを意味する。藪を漕いで送電鉄塔に飛び出すと西の展望が開けて千曲市街地の夜景が眼下に見えた。再び藪に突入して数分で藪が消えて歩きやすい植生が復活した。

 この尾根は赤松が中心で茸止め山だと思うがそれを示す標識は無し。今年は高温と少雨で茸全般が不作と聞いているので松茸もダメだったかもしれない。その赤松樹林の中の標高610m付近で大岩が登場し、ここは左から巻いた。そのすぐ上には枝に帽子がかけられて目印になっている。半年経過して劣化が進んでいるかと思いきや、半年前の写真と比較しても違いは分からなかった。

 大岩の付近から傾斜がやや緩まって尾根幅が狭まりルートが分かりやすくなる。まあ、登りだったら上を目指せばいいので細かなルートは気にしなくていいが。傾斜が緩んで初めて平坦な場所に出ると大峯山山頂。半年前は手製の山頂標識があったはずだが今回は見当たらなかった。広い山頂なので掠めただけかもしれない。ここから風がさらに強まって体感温度が下がったので雨具の上着を着た。風除けの効果は抜群で断熱性はほとんど無くても寒さが大幅に和らいだ。

 なだらかな尾根を進んで舗装された林道に到着。相変わらずここには鏡台山登山口の標識があるが、登山道は廃道化していて利用者はいないだろう。この標識のある場所から僅かに左側から尾根に突入して適当に上がっていく。登山道の形跡はほとんど残っていないが藪はほぼ皆無で歩きやすいところを適当に歩けばいい。

 標高970m付近で左側から廃林道に近い林道が登場し、そちらに乗り換える。半年前は気付かなかったが逆方向から来るとここには案内標識があって林道を離れる場所を示していた。林道には茸止め山の標識が登場するが、その期間は9月1日〜11月14日までと書かれており今日はぎりぎり期間内。でもキノコ採りの入山ではないので問題なかろう。何せここは登山道兼用だし。

 標高1050m付近で廃林道の終点を迎えて再び登山道へ。半年前はこの付近は低い笹に覆われていたのが、今回はきれいに刈り払われていてびっくり。廃道だとばかり思っていたが、一部の区間は手入れされているようだ。もしかしたら今の登山道は廃林道合流後は尾根には復帰せず、そのまま廃林道から林道に下るルートなのかもしれない。

 標高1080m付近から断続的にガスがかかるようになり、ヘッドライトの光が目の前で拡散されて視界が真っ白になるので歩きにくい。気温が高いので周囲の木の枝は凍り付かずに水滴が付いていて、それが強い風で煽られて雨のように頭上から降ってくるが、もう落葉して葉が無いので量は少なく、雨具を着用する必要はなかった。標高1200mを越えるとずっとガスの中を歩くようになり、完全に雲の中に入ったようだ。この頃には時刻は午前6時を過ぎて日の出の時刻を迎えたが当然ながら日の出は見えないが、やっと明るくなってライト不要になった。

 1267m峰は鏡台山北峰と呼ばれて半年前は山頂部は笹原に覆われていたが、今は山頂標識周辺の笹は広くきれいに刈られていて、登山道の整備はここでも行われたようだ。1230m鞍部へと下って登り返した1269.1m峰が鏡台山山頂。ここは元々山頂部には笹が無く広場があったがそれはそのまま。本当なら西方向に展望があるのだが、今回は雲の中で真っ白。今年の冬も雪が深くなるまでは何度か来る予定なので、次回に期待しよう。

 鏡台山山頂から林道まではほぼ下りの連続。長靴では登山靴のように靴紐で足が動かないように固定されていないので、特に下りで長靴の中で足が動いてつま先の爪を痛めることが多いので、歩き方に注意が必要である。これは厚い靴下を履くことである程度抑えることができるが、完全に抑圧することは難しい。これが無ければ初冬や残雪期の北アルプスでも防寒長靴を使うのだが。北アルプスは登山口から山頂までの標高差が大きいので下りも長く、爪を痛めるリスクは高くなる。

 どうせガスで何も見えないので富士見台の岩場には立ち寄らず登山道で巻いてしまう。もうすぐ林道という箇所で大きな倒木が登山道を塞いでいて、踏跡に従って迂回。これが処理されるのは来年の春以降かな。

 舗装された林道に出ると車は皆無。林道を横断して尾根直上の林道のような広い道を進む。おそらく昔は林道だったのだろうが、今は入口に車止めをしている。920m鞍部で送電線が尾根を越えて送電鉄塔が立っているが、周囲は背の高い樹林で展望は良くない場所だ。

 920m鞍部から登り返して五里ヶ峯山頂まで標高差約170mの登り返しで山頂まで廃林道と思われる広い道が続く。五里ヶ峯山頂部は北側に開いた半円状の尾根で、林道から登る場合は半円の右端から入って時計回りに登って山頂に至る。つい最近、強い雨が降ったようで、山頂直下の傾斜がやや急な場所では水が流れて落ち葉が筋状に流された場所があった。

 急斜面を登り終わって無人の五里ヶ峯山頂に到着。山頂はギリギリ雲の下で、すぐ頭上は雲が覆って遠望は効かずに足元の下界が見えるだけであった。晴れていれば北アルプスが見えるのだが残念。この高さで雲の底なので、標高が高い北アルプスは雲の中であろう。相変わらず風も強いが、周囲が樹林なので森林限界よりずっとマシだろう。

 この先は小ピークをいくつか越えるが概ね下りが続く。五里ヶ峯の下りはやや急な部分があり、落ち葉や湿った土で滑りやすい箇所があり、1回だけは思いっきり背中からコケたがザックのおかげでお尻が土で汚れることはなかった。反射的に付いた手は手袋を着用していたのでこれまた汚れずに済んだ。この他にも何度足が滑ったが、普段からストックを使わずに体幹だけでバランスを取って歩いているので、重心移動だけで対応してもコケることはなかった。

 標高950m地点で「勘助道」の標識が登場。標識によると武田信玄の軍師であった山本勘助の軍勢が通った道とされているが、いったいどんなルートを通ったのかはネットを調べても不明で、なぜスポット的にここだけ特定されたのか謎だ。

 971m峰、942m峰、875m峰と越えて標高850m地点で送電鉄塔が登場。ここだけ樹林が開けて展望があるが、やはり低い雲の影響で遠望は効かず、鏡台山はまだ雲の中だった。

 送電鉄塔で主稜線の登山道と分かれて北に派生する枝尾根に入る。宮坂峠まで登山道を歩いて適当に下ってもいいのだが、この尾根の方が地形が分かりやすく下りでルートミスしにくいし、踏跡があるのが分かっているので使った。主稜線は一重山〜有明山までは歩いたことがあるので、そのうちに宮坂峠から有明山の間も歩いてみたい。

 枝尾根は往路の大峯山への登りで使った尾根と同じく赤松樹林で、キノコ採りの割と明瞭な踏跡が続く。止め山を示す赤い荷造り紐が流してあったが強風のためか数か所で切れていた。こちらには止め山を示す標識は出ていなかった。標高が落ちてくると倒木が多くなり左右に迂回する。

 尾根末端に出ると害獣防止の背の高い柵が尾根を取り囲んでおり出ることができないように見えるが、この柵には出入口がある。その場所が分かるように出入口には標識が出ているのだが、これが見えるのは尾根に入る方向だけで下ってきて尾根から出る場合は標識の文字が書かれた面は見えず、裏側の真っ白な面が見える。よって柵に付けられた何も書かれていないプラスティックの白い札がある場所が出入口だ。尾根末端付近は比較的短い間隔で数か所ある。獣が出ないように針金で仮止めされているので解いて扉を開いて外に出てから再び針金で固定しておく。

 周囲は林檎畑だが秋も深まって既に収穫済みで農作業をしている人の姿は見られない。北側には大峯山の姿が見えており、振り返れば下ってきた尾根。紅葉は麓まで下りてきており落葉するのも間もなくであろう。

 舗装道路を歩いて窪山展望公園へ戻った。いつもは車は皆無だが今回は数台の車あるが人の姿は見えず、林業作業かキノコ採りのようであった。相変わらず低い雲に覆われているが、西の方向には茶臼山の姿あり。茶臼山は雲より低かった。

 

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